1997年にスタジオジブリより公開された宮崎駿監督作品『もののけ姫』。シリアスかつ重厚なストーリーで、子どもだけでなく、大人からの支持も獲得し、当時の日本映画歴代興行収入第一位を記録しました。コピーライターの糸井重里さんが考案した「生きろ。」というキャッチコピーも鮮烈でしたね。本記事ではそんな『もののけ姫』に関してまとめてみました。
『もののけ姫』とは
世界観・時代設定
舞台は今から700年以上前の室町時代の日本。当然、現代に比べると文明は発達しておらず、人々は神や祟りなどを信じながら生活しています。一方で、タタラ場という人間が暮らす村は、山から採取した砂鉄を材料に鉄を作り、火縄銃にしたりすることで発展を遂げてきました。神や祟りに頼らず、自分たちの力で生活する力強さを感じる村です。また一部の動物は、人間と会話をすることができたり、草木など生命を奪う力を持ったりと、人間の力を超越した生き物も数多く登場します。
ストーリー
主人公アシタカが住む村にタタリ神という化け物が現れるところから物語は始まります。アシタカはタタリ神をなんとか退治するも、右腕に呪いをかけられてしまいます。アシタカはその呪いを解くため、タタリ神が来た西方へと旅に出ます。その道中で『もののけ姫』と呼ばれる少女サンや、タタラ場を治めるエボシ、生と死を司るシシ神様など個性豊かなキャラクターに出会います。人間側と動物側、それぞれの想いや願いが交錯していくなか、初めは対立していたアシタカとサンは次第に分かり合うようになっていきます。しかし、人間と動物の争いは避けられません。アシタカとサンはどのような答えを導き出すのでしょうか。
もののけ姫 登場人物
印象的なキャラクターが多いのも『もののけ姫』の魅力の一つ。心優しく、勇敢な主人公のアシタカはもちろん、山犬に育てられた少女サンや森で出会うもののけたちも物語を色濃く彩ります。声優陣も豪華で、サン役は石田ゆり子さん、山犬のモロ役は美輪明宏さん、エボシ役は田中裕子さんがそれぞれ演じられています。ストーリーだけでなく、もののけ姫 登場人物にも注目です。
作品の素晴らしさをより引き立たせる主題歌
本作品の主題歌『もののけ姫』を歌うのはカウンターテナー歌手の米良美一さん。物語に非常にマッチした繊細ながらも力強い歌声で、世界中に大きな印象を与えました。担当することになったきっかけは、宮崎監督がラジオで米良さんの歌声を偶然聴いたからだそうです。作詞は宮崎監督自らが行い、作曲は宮崎作品の多くで音楽を担当している久石譲さん。盤石のタッグで作られた本楽曲は、物語の世界観をそのまま表現した名曲といえるでしょう。
作品を通して伝えたかったこととは
『もののけ姫』のテーマの一つとして「人間と自然との共存」が挙げられます。文明を発達させるために森を切り開くタタラ場とその森を守る動物やサンたち。その関係はこれからも続いていくでしょうし、現代社会でも似たような場面は数多く見られます。そんな時、人間と自然はいかに共存していくべきなのか。そんな人類の永遠のテーマともいえるメッセージがこの作品に込められているのかもしれません。
最後に
映画『もののけ姫』について紹介させていただきました。改めてみると、これから先も考え続けなければならない重要なテーマを訴えつつも、非常に明快で、わかりやすいストーリー展開になっていると思います。もののけ姫 登場人物も特徴的で、こんな人が声を担当していたんだという発見もあるでしょう。まだ観たことがないという方も、視聴済みという方も、様々な観点から楽しめる作品だと思います。